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ロルフィングの詳細について

筋膜とは?

筋膜はその名の通り筋肉を包む膜ですが、それだけではなく骨・内臓・血管・神経など、体内のあらゆる器官を包んで形を保持しています。筋膜は頭の先からつま先まで、そしてカラダの浅部から深部まで立体的に、全身に、途切れることなく網の目状に繋がっているため、筋膜が私達のカラダ構造を形作っているともいわれています。
無意識な行動パターン・怪我・長時間のデスクワークなどの偏ったカラダの使い方によって、筋膜が硬く縮んでしまったり、筋膜同士で癒着を起こしたりすると、カラダ構造のバランスがくずれ、それがカラダの歪みとなって現れます。

ロルフィングでは、手や肘でこの筋膜組織に働きかけることで、本来の弾力のあるみずみずしい状態に戻します。硬さや縮み、癒着などによる制限から解放されると、カラダの各器官は本来のあるべき位置に配置され、カラダ全体が適切に効率よく機能しはじめます。

重力と調和する?

アイダ・ロルフ博士は、人々は重力との闘いにさらされ続けていると言っています。身体バランスがくずれると、カラダは重力にひっぱられ、そしてそれに抵抗するかのような形になり、過度の緊張が生じます。ある人は前に突き出た頭を支えるために首を緊張させ、ある人は上半身が倒れないように腰や背中を緊張させ、またある人は自分の重さそのままをまかせることなく肩でカラダを引き上げたりしています。

ロルフィングでは、地球の重力場の中でカラダを抵抗させることなく動けるよう、動きの質自体を変化させます。呼吸・歩く・立つ・座るなどの基本動作を通して、楽でなめらかな動きをインプットしていきます。重力と調和したカラダでは、余分な力を使わない効率の良い動きが生まれ、疲れにくいカラダになります。

ロルフィング10回の内容

ロルフィングのセッションは10回で構成されており、それぞれ1回ごとにゴールがあります。
おおまかにいうと1~3回でカラダの表層部分、4~7回で深層部分に働きかけ、8~10回で変化したカラダを統合していきます。

セッション1

呼吸を制限しているカラダの表層の緊張をゆるめ、呼吸の容量を深めます。

セッション2

脚、主に膝下の制限を取り除き、カラダの土台である足の機能を高めます。

セッション3

カラダの側面のラインを明確にし、カラダの前後に幅を持たせます。

セッション4

足のサポートを内側のラインを通って骨盤まで繋げ、骨盤底のトーンを整えます。

セッション5

腹部のバランスを整えます。

セッション6

背中(背骨と仙骨)を自由にし、しなやかにします。

セッション7

首と頭を胴体の状態に合わせてバランスを整えます。

セッション8

上半身か下半身どちらかを中心に働きかけ、統合を促します。

セッション9

残りの半身に働きかけ、統合を促します。

セッション10

各関節、骨盤を水平にし、全身のバランスを整え統合します。

ロルフィングの創始者アイダ・ロルフ博士について

アイダ・ロルフ博士(1896-1979)は、1920年にコロンビア大学医学部より生化学の博士号を授与され、その後、ロックフェラー研究所での有機化学の研究を通してカラダに関する知識をさらに深めました。彼女は彼女自身と彼女の息子の健康に問題を抱えており、その解決のためにさまざまな療法・手技を学び、実践することに多くの時間を費やしました。ホメオパシー・オステオパシー・カイロプラクティック・ヨガなどの探求の中で、“カラダの筋膜システムに働きかけることによって、その人全体の姿勢と構造を変化させることができる”と発見しました。
そして彼女の研究は初め“Structural Integration”(身体構造の統合)と名付けられました。その後、彼女のワークが広がるにつれ、彼女の名前に因んでロルフィングと呼ばれるようになりました。(現在、RolfingはRolf Instituteの登録商標となっています)

ロルフ博士の生涯は、身体構造を変化させる“筋膜への手技”とそれを持続させるための“動きの教育”に捧げられ、そのワークを他の人も理解し学べるよう10回のシリーズ(ロルフィング10シリーズ)に発展させました。1979年に83歳でこの世を去った後も、ロルフィングはロルフ博士のインスピレーションに基づいて研究・発展が続けられ、そのワークは多くの人にシェアされながら支持を受けています。